「数年前にWebサイトを作ってもらった制作者と、いつからか連絡が取れなくなった」というご相談は、私たちが最も多くお受けするケースのひとつです。サイト自体は表示されていても、ドメインやサーバーの管理権限がどこにあるのか分からないまま放置されている状態は、思っている以上に危険です。

ある日突然、ドメインの更新通知メールが届かなくなり、気がついた時にはサイトが消えていた、というケースも珍しくありません。本記事では、こうした状況からWebサイトを安全に引き継ぐための実務的な手順をご案内します。

まずは現状を正確に把握する

最初にやるべきは「今、何がどうなっているか」を把握することです。次の4点を整理してみてください。

  • 使われているドメイン(例:example.co.jp
  • 使われているサーバー会社(分かれば)
  • 制作を依頼した会社・個人の連絡先
  • 過去のお支払い記録(毎年または毎月の引き落とし、振込履歴)

ドメインについては、後述する Whois検索 という仕組みで、契約者の情報をある程度確認できます。サーバー会社が分からない場合でも、サイトに使われているサーバーのIPアドレスから推測できることがあります。

「何が分からないかが分からない」という状態がいちばん厄介です。まずは紙でもメモアプリでも構いませんので、分かっていることと分からないことを書き出すところから始めましょう。

契約関係を整理する3つの手がかり

連絡先の特定で最も有効な手がかりは「お金の流れ」と「過去のメール」です。

ひとつ目はクレジットカード明細や銀行口座の引き落とし履歴です。過去2〜3年分を遡って、それらしい支払いを探してみてください。「お名前.com」「エックスサーバー」「さくらインターネット」「ムームードメイン」などのレジストラ・サーバー会社の名前が見つかることが多いです。年単位の請求は見落としやすいので、12か月分まとめて確認することをおすすめします。

ふたつ目は過去にやり取りしたメールです。「ドメイン取得のお知らせ」「サーバー契約完了のご案内」といった件名のメールが、契約時に届いているはずです。Gmail や Outlook の検索機能で、レジストラ名・サーバー会社名で全文検索すると見つかります。

みっつ目はWhois検索です。whois.jprs.jp などの公開サイトで、自社のドメイン名を入力すると、登録者情報・管理者情報を確認できます。個人情報保護のためマスキングされている場合もありますが、登録レジストラ名は表示されます。

ドメイン会社・サーバー会社に連絡する

契約先が特定できたら、各社のサポート窓口に連絡を取ります。ただし、契約者本人でない場合、いきなり権限を移してもらうことはできません。会社として正規の手続きを踏む必要があります。

具体的には、契約者が法人であれば登記簿謄本、個人であれば本人確認書類などの提出を求められます。所有権の移転(譲渡)手続きや、契約者変更の届出という形で進めることになります。手続きには2〜4週間かかることが一般的です。

このとき大切なのは「連絡が取れない旨を正直に伝える」ことです。各社は同種のケースに慣れており、正規の手順を示してくれます。事実関係を正確に説明することが、結果的に最短ルートになります。

引き継ぎ完了までの全体の流れ

ドメインとサーバーの両方を引き継ぐ場合、おおよそ次の順序で進めます。

  1. ドメインの契約者情報を自社に変更(または移管)
  2. サーバーの契約者情報を自社に変更(または移管)
  3. Webサイトのデータバックアップ
  4. メール・各種設定の引き継ぎ
  5. 制作者から預かるべき情報の確認(管理画面のID/パスワードなど)

これらは1日で終わる作業ではありません。とくに連絡が取れない相手を介さずに進める場合、それぞれの会社の手続きを踏むため、全体で1〜2ヶ月かかることもあります。ドメインの更新期限が近い場合は、先にそちらの対処を優先してください。

ご自身で難しいと感じたら

ここまで読んで「自分ではちょっと無理かもしれない」と感じられたら、Web Gearの「Webザイル」がお手伝いできます。Webザイルは、まさにこうした「引き継ぎが整理されていないWebサイト」を専門にお引き受けしているサービスです。

状況のヒアリングから、調査、契約整理、移管完了まで、一貫して対応します。初回のご相談は無料です。

まとめ

  • 制作者と連絡が取れなくなったら、まず「現状把握」から始める
  • お金の流れと過去のメールが、契約先特定の最大の手がかり
  • 各社の正規手続きを踏めば、契約者でなくても引き継ぎは可能
  • 期間は1〜2ヶ月を見込んで、ドメインの更新期限を優先して動く

Webサイトの引き継ぎでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください