「今のサーバーを別の会社に移したいけれど、その間サイトが止まってしまうのが心配」というご相談をよくいただきます。たしかにサーバー移管は手順を誤ると、数時間から半日以上サイトが見られなくなることもあります。一方で、ポイントを押さえて準備すれば、ほぼ無停止での切り替えも可能です。
本記事では、サーバー移管のダウンタイムを最小化するための5つのステップをご紹介します。
ステップ1:移管先サーバーの準備
最初にすることは、移管先のサーバーを契約し、現サーバーと同じ状態に整えておくことです。具体的には、Webサイトのデータ・データベース・メールアカウントなどを、移管先サーバーに「先にコピーして動く状態にする」段階です。
このとき、まだDNS(ドメインの行き先)は旧サーバーのままです。移管先サーバーは、契約直後に発行される「テスト用URL」や「IPアドレス直接指定」で動作確認できます。表示・フォーム送信・データベース連携の確認まで、新サーバーで完結させておきます。
ステップ2:データの完全コピーと最終同期
サイトの規模にもよりますが、コピー作業には数時間かかることがあります。そのため、コピー直後にサイトが更新されると、新旧サーバー間で内容にズレが生まれます。
このズレを防ぐには「切り替え直前に最終同期を行う」段取りが有効です。事前にいったんコピー→動作確認→切り替え直前にもう一度差分だけ反映、という二段構えで進めます。WordPressなど更新頻度の高いサイトでは、切り替え当日の数時間だけ更新を停止する運用にすることもあります。
ステップ3:DNSのTTLを短くしておく
ここが最大のポイントです。DNSには「TTL(Time To Live)」という設定があり、世界中のキャッシュサーバーがその情報をどれくらいの時間覚えておくかを決めています。標準では3600秒(1時間)や86400秒(24時間)になっていることが多いです。
切り替えの48時間前に、このTTLを300秒(5分)程度まで短く設定変更します。こうすることで、いざ切り替えた時に、世界中のDNSが新しい情報を取りに来るまでの時間が大幅に短縮されます。
逆に、TTLが長いまま切り替えると、利用者によっては数時間〜1日、旧サーバーを見続けることになります。
ステップ4:DNS切り替え(実際の切り替え)
準備が整ったら、DNSのAレコード(またはCNAME)を新サーバーのアドレスに変更します。TTLを5分に設定済みであれば、おおむね5〜15分以内に切り替わりが進みます。
切り替え後は、ブラウザのキャッシュをクリアした状態で、新サーバーに正しくアクセスできているかを確認します。Pingコマンドや nslookup で、引いてくるIPアドレスが新サーバーのものになっていれば成功です。
切り替え直後は、新旧サーバーへのアクセスが混在する時間帯が短いながら発生します。この間、両方のサーバーを動かしたままにしておくのが鉄則です。
ステップ5:旧サーバーの解約タイミング
切り替えが完了したように見えても、すぐに旧サーバーを停止してはいけません。世界中のDNSキャッシュが完全に更新されるまで、最低でも48〜72時間は旧サーバーを稼働させたままにします。
この期間中、旧サーバーへ届いたメールがあれば取りこぼしになります。メールも移管している場合は、旧サーバーのメールも転送設定などで救えるように整えておくと安心です。
問題なく切り替わったことを確認できたら、旧サーバーの解約手続きを進めます。解約は契約期間との兼ね合いがあるため、無理に急がず、一区切りつくタイミングで行うのがおすすめです。
まとめ
- 移管先サーバーに「先にコピーして動かす」状態を作っておく
- 切り替え直前にもう一度差分同期して、内容のズレを防ぐ
- DNSのTTLを切り替え48時間前に短く(300秒程度)しておく
- 切り替え後も新旧サーバーは48〜72時間並走させる
- 旧サーバーの解約は、安全を確認してから
サーバー移管は手順の組み立てが結果を大きく左右します。お悩みの場合はお気軽にご相談ください。