事業の縮小、店舗の閉店、サービスの終了——さまざまな理由でドメインが不要になることがあります。「更新せず放っておけばいいだろう」と思いがちですが、何も考えずに放置するのは思わぬリスクにつながることがあります。この記事では、使わなくなったドメインを正しく手放す方法と、放置した場合の問題点を解説します。
ドメインをやめたいときの選択肢
不要になったドメインを手放す方法は主に3つあります。
1. 自動更新をオフにして自然に失効させる
最もシンプルな方法です。レジストラの管理画面から自動更新を無効にしておくと、有効期限が来たときに更新されず、ドメインが失効します。
ただし失効後も一定期間(猶予期間)は更新可能な状態が続き、その後第三者が取得できる状態になります。
2. 意図的に削除(廃止)申請をする
一部のレジストラでは、期限前に削除申請を出すことができます。更新費用を払わずに済みますが、削除後は同じドメインをすぐには取り戻せません。
3. 第三者に譲渡・売却する
使わなくなったドメインでも、他者にとって価値がある場合があります。ドメイン売買のマーケットプレイス(Sedo、Afternicなど)に出品するか、知人・取引先に直接譲渡することも可能です。
放置するとどうなるか
「更新しなければそれでいい」と考えて放置すると、以下のリスクがあります。
第三者に取得され悪用される可能性がある
ドメインが失効して一定期間が経つと、誰でも新規取得できる状態になります。過去に使っていたドメインは、検索エンジンの評価や被リンクが残っている場合があり、詐欺サイトやフィッシングサイトに悪用されるリスクがあります。かつての顧客が古いURLを踏んで被害を受ける可能性もゼロではありません。
ドメイン名の価値が失われる
長年使ってきたドメインには「ブランド資産」としての価値があります。一度手放すと、将来また同じドメインを使いたくなっても取り戻せない場合がほとんどです。
メールやサイトが使えなくなる影響
ドメインを手放す前に、以下の影響を必ず確認してください。
ウェブサイト そのドメインで運営していたサイトはすべて表示されなくなります。移転先URLへのリダイレクト設定も機能しなくなります。
メールアドレス
そのドメインを使ったメールアドレス(例:info@example.jp)は送受信できなくなります。取引先・顧客へのアドレス変更連絡を忘れずに行ってください。
各種サービスのログイン そのメールアドレスで登録している外部サービス(SNS、クラウドツール、行政サービスなど)は、パスワードリセットができなくなる恐れがあります。
正しい解約手順
1. 紐付いているサービスの洗い出し
ドメインに紐付いているサーバー・メール・各種サービスを一覧化します。
2. 移行・変更の告知
メールアドレスが変わる場合は、取引先や顧客に新しい連絡先を案内します。余裕を持って2〜3ヶ月前から告知するのが理想です。
3. サービスのログイン情報を更新
外部サービスの登録メールアドレスを、新しいアドレスに変更しておきます。
4. サーバー契約の確認
ドメインとサーバーが別契約の場合、サーバー側も不要であれば別途解約手続きが必要です。
5. 自動更新をオフにする、または削除申請
最後にレジストラ側の設定を変更します。
解約前に確認すべきこと
- ウェブサイトの移転・閉鎖は完了しているか
- メールアドレス変更の告知は十分にできたか
- 外部サービスのログイン情報(メアド)を変更したか
- ドメインに紐付いたSSL証明書の処理は済んでいるか
- 移転先URLへのリダイレクトは不要か
- ドメインを売却・譲渡する選択肢を検討したか
万が一、失効後に問題が起きた場合の対応については ドメイン失効後の復旧方法 も参考にしてください。
まとめ
使わなくなったドメインは「ただ放置する」のではなく、影響範囲を確認してから計画的に手放すことが大切です。特にメールアドレスの変更告知と、外部サービスへの登録情報の更新は見落としがちです。また、過去に使っていたドメインが第三者に悪用されるリスクも念頭に置いておきましょう。
「ドメインをどう整理すればいいかわからない」「廃業に伴うサイト・ドメインの整理を依頼したい」という方は、Web Gearにお気軽にご相談ください。