「大事なお問い合わせが、メルマガや通知メールに埋もれてしまう」「受信トレイが未読だらけで、どこから手を付けていいか分からない」。事業でメールを使っていると、こうした悩みは少しずつ積み重なっていきます。
こうした場面で役に立つのが、メールの自動振り分け(フィルタ)です。この記事では、フィルタの基本的な考え方と、設定を始める前に押さえておきたいポイントを、専門用語を最小限にして整理します。
メールの振り分け(フィルタ)とは
メールの振り分け(フィルタ、仕分けルールとも呼ばれます)とは、「差出人が〇〇なら、△△フォルダに移す」のように、条件に合うメールを自動で整理する仕組みです。
人の手で行っていた「メールを開いて、フォルダに移す」作業を、ルールとして一度登録しておくことで、以後は自動で行ってくれます。
フィルタでできることの例は、次のようなものです。
- 特定の差出人(取引先、請求書の通知など)のメールを専用フォルダに移す
- 件名に特定の言葉(「ご注文」「請求書」など)を含むメールにラベルや色を付ける
- メルマガや各種サービスの通知を、まとめて別フォルダに移す
- 宛先(info@ など)ごとにフォルダを分ける
振り分けを設定できる場所は2つある
フィルタを設定できる場所は、大きく分けて2つあります。どちらで設定するかによって、動き方が変わる点に注意が必要です。
1. メールソフト(Outlook・Thunderbirdなど)での設定
パソコンやスマホのメールソフトに「ルール」「フィルタ」として設定する方法です。設定した端末で、メールを受信した時に振り分けが動きます。
- 設定した端末のメールソフトを開いていないと、振り分けは実行されないことが多い
- 複数の端末でメールを見ている場合、設定した端末以外では、同じ振り分けにならないことがある
2. サーバー側(Webメール・コントロールパネル)での設定
レンタルサーバーのWebメールや管理画面に用意されている、振り分け機能を使う方法です。メールがサーバーに届いた時点で振り分けが行われます。
- どの端末から見ても、同じ振り分け結果になりやすい
- パソコンの電源が入っていなくても、サーバー側で処理される
ただし、利用しているサーバーやプランによって、使える機能や画面の名称は異なります。「フィルタ」「振り分け」「メールのルール」といった名前で用意されていることが多いので、管理画面で探してみてください。
複数の端末でメールを確認している事業者の場合は、サーバー側で整理しておくほうが、見え方が揃って管理しやすくなります。受信方式(POPとIMAP)による違いは、POPとIMAPの違いとは?どちらを選ぶべきか中小企業向けに解説で整理しています。
事業者向け:まず作っておきたい振り分けルール
最初から細かく作り込むと、かえって管理が大変になります。まずは次のような、少数のルールから始めるのがおすすめです。
優先順位が高いメールを目立たせる
- 取引先・顧客からのメールを、専用フォルダに入れる、または色やラベルで目立たせる
- お問い合わせフォームの通知メールを、専用フォルダにまとめる
後回しにしてよいメールを分ける
- メルマガ・キャンペーン案内を、別フォルダに移す(毎日見る必要がないため)
- 各種サービスの自動通知(ログイン通知、利用明細など)を、別フォルダにまとめる
宛先ごとに分ける
info@ や support@ など、複数のアドレスを1つの受信箱で受けている場合は、宛先ごとにフォルダを分けておくと、担当者ごとの対応が分かりやすくなります。共有アドレスの運用については、info@ など共有メールアドレスを複数人で使う方法も参考になります。
設定する時の注意点
便利な反面、フィルタには注意が必要な点もあります。
- 「自動で削除する」ルールは慎重に:条件を広く取りすぎると、必要なメールまで消えてしまうことがあります。最初は「削除」ではなく「別フォルダに移す」にしておきましょう
- 条件を広く取りすぎない:件名に「お知らせ」を含むメールをすべて移す、のような広い条件は、大事な連絡も巻き込みやすくなります
- 振り分け先のフォルダも定期的に見る:見に行かないフォルダは、結局のところ「見ないメールの置き場」になります。週に1回など、確認の頻度を決めておきましょう
- 作ったあとに動作を確認する:自分宛にテストメールを送るなどして、想定どおりに振り分けられるか確かめます
また、フォルダが増えるほど、サーバー上のメール容量も使います。メールが溜まりやすい場合は、メールが届かない?メールボックス容量オーバーの原因とすぐできる対処法もあわせてご確認ください。
よくある質問
Q. 振り分け設定をしたのに、メールが振り分けられません。
条件の書き方(差出人のアドレスの綴り、件名の言葉など)が、実際のメールと合っていないことがよくあります。また、メールソフト側で設定している場合は、そのソフトが起動していないと動かないことがあります。実際に届いたメールの差出人や件名を確認し、条件を見直してみてください。
Q. 振り分けたメールが見つかりません。
別のフォルダに移動されている可能性があります。ルールの一覧を確認し、どのフォルダに移す設定になっているかを確かめてください。メールソフトの検索機能で、全フォルダを対象に探す方法も有効です。
Q. 迷惑メールもフィルタで防げますか?
迷惑メール対策は、多くの場合サーバーや受信サービスに専用の機能があります。個人で作るフィルタは、特定の差出人を整理する用途に向いており、迷惑メール全般を防ぐ目的には向きません。
Q. 振り分けの設定は、スマホのメールアプリでもできますか?
アプリによって対応状況が異なります。スマホ側ではできないことも多いため、サーバー側のフィルタを使うか、パソコンのメールソフトで設定しておくと、見え方が揃いやすくなります。
まとめ
- 振り分け(フィルタ)は、条件に合うメールを自動で整理する仕組み
- 設定場所は「メールソフト」と「サーバー側」の2つ。複数端末で使うならサーバー側が揃えやすい
- 最初は少数のルールから始め、「削除」ではなく「別フォルダへ移す」にする
- 作った後は、テストメールで動作を確認し、振り分け先も定期的に見る
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