「メールが迷惑メールに振り分けられてしまう」「GoogleのSearch ConsoleやAWSの設定でドメイン所有権を確認してください、と言われたけど何をすればいいかわからない」——こうした場面で登場するのが TXTレコード です。DNSの設定画面で見かけることが多いわりに、仕組みや目的がわかりにくいレコードでもあります。この記事では、TXTレコードの基本から代表的な用途・設定例・確認方法まで、順を追って解説します。
TXTレコードとは何か
TXTレコード(テキストレコード)は、ドメインに任意のテキスト情報を紐づけるためのDNS設定です。
DNSは「ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み」として知られていますが、それ以外にも様々な情報をドメインに関連付けることができます。TXTレコードはその代表例で、ドメインを管理している証拠の提示や、メール送信を承認するサーバー情報の登録など、幅広い目的に使われています。
DNSレコードの種類全般については「DNSレコードの種類と役割を解説」もあわせてご覧ください。
TXTレコードの主な用途
1. SPF(メール送信元の認証)
SPF(Sender Policy Framework)は、「このドメインのメールはどのサーバーから送ってよいか」を宣言する仕組みです。設定しておくと、受信側のメールサーバーが「正規の送信元からのメールかどうか」を判定できるようになります。
設定例:
v=spf1 include:_spf.google.com ~all
v=spf1:SPFの宣言include:_spf.google.com:Google Workspaceのサーバーからの送信を許可~all:それ以外は「疑わしい」として扱う(-allにすると完全拒否)
SPFが未設定だと、受信サーバーは送信元を確認できず、正当なメールでも迷惑メールに振り分けられることがあります。
2. DKIM(メールの電子署名)
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メールに電子署名を付与して、改ざんされていないことを証明する仕組みです。送信サーバーがメールに署名し、受信サーバーがTXTレコードに登録された公開鍵で検証します。
設定例(Googleの場合):
ホスト名: google._domainkey.example.com
値: v=DKIM1; k=rsa; p=MIGfMA0GCSqGSIb3DQEBA...(長い公開鍵)
DKIMの公開鍵は各メールサービスの管理画面から発行されます。長い文字列をそのままコピー&ペーストする必要があるため、コピーミスに注意が必要です。
3. DMARC(SPFとDKIMを組み合わせたポリシー)
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)は、SPFとDKIMの認証結果をもとに、認証失敗時にどう扱うかのポリシーを宣言する仕組みです。
設定例:
ホスト名: _dmarc.example.com
値: v=DMARC1; p=none; rua=mailto:admin@example.com
p=none:認証失敗時も通常通り配信(まず様子見で使うケースが多い)p=quarantine:疑わしいものを迷惑メールへp=reject:認証失敗メールを拒否
4. サービスのドメイン所有権確認
Google Search Console・Google Analytics・AWS・Microsoft 365・Pendo など、多くのWebサービスが「このドメインは本当にあなたのものですか?」を確認するためにTXTレコードを使います。
設定例(Google Search Consoleの場合):
値: google-site-verification=aBcDeFgHiJkLmNoPqRsTuV
ドメインのDNSに上記を追加して保存し、Google側で「確認」ボタンを押すと所有権が認証されます。確認が完了したあともレコードを削除しないようにしましょう(削除すると所有権が取り消される場合があります)。
TXTレコードの設定場所と書き方
TXTレコードはドメインを管理しているサービス(レジストラやDNSサーバー)の管理画面から追加します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ホスト名(名前) | ドメインのルートなら @ または空欄。DKIMは google._domainkey など専用サブドメイン |
| タイプ | TXT |
| 値(内容) | 各サービスが指定する文字列をそのまま入力 |
| TTL | 変更が不要なら 3600(1時間)程度でOK |
同じドメインに複数のTXTレコードを追加することは可能です(SPFとDKIMと所有権確認を同時に設定するなど)。ただし、SPFレコードは1つのドメインにつき1つだけにする必要があります。SPFを複数設定すると認証が失敗することがあります。
設定を確認する方法
設定が正しく反映されているかは、以下の方法で確認できます。
Windowsのコマンドプロンプトで確認する場合:
nslookup -type=TXT example.com
Webツールで確認する場合:
- MXToolbox → 「TXT Lookup」メニューを使用
- Google Admin Toolbox → レコードタイプに
TXTを選択
反映には数分〜最大48時間かかることがあります。設定後すぐに確認できない場合は少し時間をおいてから再確認してください。
設定ミスがあるとどうなるか
| ミスの内容 | 影響 |
|---|---|
| SPFを設定し忘れ | メールが迷惑メールに分類されやすくなる |
| SPFを2つ以上設定 | 両方無効になりメール認証が失敗する |
| DKIMの公開鍵をコピーミス | 署名検証が通らず迷惑メール扱い |
| 所有権確認レコードを削除 | サービスの所有権が取り消される |
メールが届かない・迷惑メールに入る、という場合はSPF・DKIMの設定を疑うことが重要です。詳しくは「メールが迷惑メールに入ってしまう原因と対策」もご参照ください。
まとめ
TXTレコードは、メールの信頼性向上(SPF・DKIM・DMARC)と、各種Webサービスのドメイン所有権確認に使われるDNSレコードです。設定内容はサービスごとに指定された文字列をそのまま入力するのが基本で、入力後は反映確認ツールで正しく登録されているかチェックしましょう。
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