独自ドメインを取得する時、手続き自体は難しくありません。むしろ迷うのは、「どんな名前にするか」という点です。ドメイン名は、サイトの住所であると同時に、メールアドレスの後半部分にもなる、事業の「名前」の一部です。
一度決めて使い始めると、名刺・メール・各種サービスの登録などに広がり、あとから変えにくくなります。この記事では、事業者がドメイン名を決める時の考え方と、判断のポイントを整理します。取得の手続きの流れは独自ドメインの取得方法|初めてでも失敗しない選び方で解説しているため、ここでは「名前の決め方」を中心に扱います。
ドメイン名とは
ドメイン名とは、example.com のような、インターネット上の名前(住所)です。example の部分を自分で決め、末尾の .com や .jp などは、種類から選びます。この記事で扱う「ドメイン名の決め方」は、主に前半の、自分で決める部分のことです。
基本的な考え方は、ドメインとは何か?Webサイトの「住所」を分かりやすく解説にまとめています。
まず決めたい:何を軸にするか
ドメイン名の軸は、大きく分けて次の3つです。
| 軸 | 名前の部分の例(架空) | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 社名・屋号 | yamada-shoji | 会社や店の名前で探される事業 | 社名変更の可能性があるなら要検討 |
| サービス名・ブランド名 | yamada-brand | 商品やサービス自体を育てたい場合 | 事業の幅が広がった時に合わなくなる場合がある |
| 地域+業種 | niigata-dental | 地域で探されやすい業態 | 長くなりやすく、移転や展開で合わなくなる場合がある |
表の例は、example.com の example にあたる部分だけを示した架空の名前です。迷った場合は、お客様が事業者を呼ぶ時の名前を基準にするのが、基本です。お客様が「〇〇さん」と呼ぶその名前が、最も自然に探されやすく、思い出してもらいやすい名前になります。
決める時の判断ポイント
1. 口頭で伝えて、綴りが伝わるか
電話や対面で、ドメインやメールアドレスを伝える場面は、意外とあります。聞いただけで綴りが想像できるか、確認してみましょう。
- 読み方が複数ある単語や、独特な綴りは避ける
l(エル)と1(イチ)、0(ゼロ)とo(オー)など、紛らわしい文字を使わない- ローマ字表記が複数ある場合(
shiとsiなど)は、どちらかに決め、必要なら両方を検討する
2. 長すぎず、短すぎないか
短いほど覚えやすい一方、短くて意味のある名前は、すでに取得されていることが多いです。長すぎると、入力の手間やミスが増え、メールアドレスにした時にも読みづらくなります。目安として、読み上げて違和感なく伝えられる長さを考えてください。
3. メールアドレスにした時の見え方
独自ドメインのメールアドレスは、info@example.com のように、ドメイン名がそのまま表示されます。取引先やお客様が、毎日目にする部分です。メールアドレスとして使った時に、信頼感のある見え方になるかも、判断材料にしてください。独自ドメインのメールの意義は、独自ドメインメールとフリーメールの違い|会社の信頼につながる選び方で解説しています。
4. ハイフンと数字は必要最小限に
ハイフン(-)は使えますが、多いと、伝える時に説明が必要になります。数字も、読み方が人によって変わるため、使う場合は理由を持たせてください。
5. 将来の変更に耐えられるか
次のような変化を想定してみてください。
- 社名や屋号が変わる可能性はあるか
- 取り扱う商品・サービスが増えるか
- 事業所の移転や、地域の拡大があるか
特定の地名や商品名を入れる場合は、将来それが合わなくなるリスクも考えておきましょう。
6. 他社や他の名称と紛らわしくないか
同じ業界で、似た名前のサイトがすでにないかを確認します。お客様が間違えて、別の会社のサイトにたどり着くことがないかを検討します。
また、他社の登録商標や、著名な名称と同じ、または似ている名前を使うと、トラブルになる可能性があります。判断が難しい場合は、専門家に確認することをおすすめします。
7. SNSなど他の名称とそろえられるか
SNSのアカウント名や、Googleビジネスプロフィールの名称など、他の場所で使っている名前とそろえられると、お客様が迷いにくくなります。
ドメインの種類(末尾)の決め方
名前の後半(.com や .jp など)にも、種類があります。会社の信頼性や、費用、取得条件が異なるため、事業の形態に合わせて選びます。違いは、ドメインの種類と選び方|.com・.jp・.netの違いと費用相場で整理しています。更新料は種類によって異なるため、取得前に確認しておくと安心です。
決め方の手順
- お客様に呼ばれている名前を、書き出す(社名・屋号・サービス名)
- 上の判断ポイントで、候補を3〜5個に絞る
- 取得したい種類を決め、空きがあるかを検索する
- 候補が取得済みだった場合は、表記や末尾を変える、単語を加えるなど、代替案を検討する
- 社内の複数人に、口頭で伝えて、伝わるかを確認する
候補を検索して、すでに他者が取得していた場合でも、すぐ諦める必要はありません。ただし、同名の他者サイトとの混同には、注意が必要です。
よくある質問
Q. 日本語のドメイン名にしてもよいですか?
日本語ドメインも使えますが、メールアドレスやURLをやりとりする時に、文字化けや入力の手間が出ることがあります。事業用では、ローマ字のドメインが、扱いやすい場面が多いです。
Q. 一度決めたドメイン名は、あとで変えられますか?
変更自体は可能ですが、新しいドメインへの切り替えに伴い、メールアドレスの変更や、検索結果への影響、各種登録情報の書き換えなど、多くの作業が発生します。最初に慎重に決めることをおすすめします。
Q. 複数のドメインを取得したほうがよいですか?
必須ではありません。紛らわしい表記ゆれを避けたい場合や、将来のサービス名を押さえておきたい場合に、複数取得を検討する方もいます。費用は、年ごとに更新料がかかる点に、注意が必要です。
Q. 地域名を入れたほうが、検索に有利ですか?
ドメイン名に地域名を入れることだけで、検索順位が決まるわけではありません。名前としての分かりやすさや、事業の将来性とのバランスで、判断するほうが安全です。
まとめ
- ドメイン名は、事業の名前の一部で、メールアドレスにも使われる
- 軸は「社名・屋号」「サービス名」「地域+業種」から、お客様が呼ぶ名前を基準に考える
- 口頭で伝わるか・長さ・ハイフン・将来の変更・他の名称との混同、を確認する
- 候補を絞って空きを確認し、社内で伝わるかを試してから決める
決めたあとの取得や、サイトとの紐付けは、独自ドメインの取得方法|初めてでも失敗しない選び方も参考にしてください。