「サーバー会社からPHPのサポート終了の案内が来たので、案内どおりバージョンを上げたら、サイトの一部ページだけが真っ白になってしまった」——こうしたご相談は、WordPressや独自制作のサイトを長く運用している事業者ほど起こりやすいものです。本記事では、PHPのバージョンアップで一部ページがエラーになる原因と、事業者としてまず取るべき対処を、専門知識がなくても分かるように整理します。

PHPのバージョンアップとは

PHPは、WordPressをはじめ多くのホームページを裏側で動かしている基盤ソフトです。PHPにはバージョンがあり、古いバージョンは順次サポートが終了していきます。サポートの切れたPHPを使い続けると、セキュリティ上のリスクが高まるため、サーバー会社は定期的に新しいバージョンへの切り替えを案内します。

つまり、PHPのバージョンを上げること自体は必要な対応です。問題は「上げ方」にあります。

なぜ一部ページだけエラーになるのか

PHPは、バージョンが新しくなるにつれて、あいまいな書き方を「エラー」として扱うようになってきました。特にPHP7系から8系への移行では、これまで”なんとなく動いていた”書き方が、致命的なエラーとして表面化するケースがあります。

そのため症状は、サイト全体が落ちるのではなく、特定のページや特定の機能だけが真っ白(または500エラー)になるという形で現れることが多くあります。原因は、古いカスタムテーマや、独自に追加した機能の中に残っていた小さな書き方の問題であることが少なくありません。長く使っているサイトほど、こうした”古い書き方”が残っている可能性が高くなります。

事業者が取るべき手順・判断

1. まず、慌てて上げっぱなしにしない

多くのサーバーでは、管理画面からPHPのバージョンを**元に戻す(切り替え直す)**ことができます。一部ページがエラーになったら、いったん元のバージョンに戻して表示を復旧させ、落ち着いて対応を進めるのが安全です。表示できない時間を最小限にできます。

2. どのページが・いつからおかしいか記録する

エラーになっているページのURLと、いつから発生したか(=PHPを上げた直後かどうか)を控えておきます。原因の切り分けがスムーズになります。サイト全体が表示されない場合の初動はサイトが表示されない時にまず確認する3つのこともあわせてご確認ください。

3. テーマ・プラグインを最新に更新する

WordPressの場合、テーマやプラグインの新しいバージョンでPHP8に対応済みのことが多くあります。まずは更新で解消しないかを確認します(更新前のバックアップは必ず取ってください)。

4. 独自制作の部分は、制作者・管理先に改修を依頼する

テーマや追加機能のコードそのものが原因の場合、事業者ご自身で修正するのは現実的ではありません。無理に触らず、制作を依頼した会社や管理を任せている先に「PHP8対応の改修」を依頼するのが安全です。どこに連絡すればよいか分からない場合は主要レンタルサーバーの困った時の問い合わせ先まとめも参考にしてください。

5. 可能ならテスト環境で先に試す

本番サイトでいきなり上げるのではなく、テスト用の環境があれば、そこで先にバージョンを上げて表示を確認してから本番に反映すると、いきなりの表示崩れを防げます。

よくある質問

Q. エラーが出るなら、PHPは上げない方が安全ですか?

A. いいえ。サポートの切れた古いPHPを使い続ける方が、セキュリティ上は危険です。上げるのが原則で、大切なのは「移行時にきちんとテストする」ことです。

Q. 一部ページだけエラーになりました。全部元に戻すべきですか?

A. いったん元のバージョンに戻して表示を回復させ、原因を調べて対応版を用意してから改めて上げる、という進め方が安全です。

Q. 自分でコードを直せますか?

A. テーマ・プラグインの更新で直ることもありますが、コードそのものが原因の場合は制作者・管理先への依頼をおすすめします。無理に触ると別の不具合を招くことがあります。

Q. どのバージョンに上げればいいですか?

A. サーバー会社が推奨している、現在サポート中のバージョンが基本です。迷う場合はサーバー会社のサポート窓口に確認してください。

Q. 事前にトラブルを防ぐ方法はありますか?

A. テスト環境での事前確認と、テーマ・プラグインを普段から最新に保っておくことが有効です。

まとめ

  • PHPのバージョンアップは、セキュリティ上必要な対応
  • PHP7から8への移行では、古い書き方が原因で一部ページだけエラーになることがある
  • まずはPHPのバージョンを元に戻して表示を復旧させ、落ち着いて対応する
  • テーマ・プラグインの更新で直らない場合、独自制作部分は制作者・管理先に改修を依頼する
  • 可能ならテスト環境で先に確認してから本番に反映する

PHPのバージョンアップやサイトの保守・更新は、Web Gearの「Webザイル」でも継続的にサポートしています。「サーバーからPHPの案内が来たが、上げて大丈夫か不安」という段階からご相談いただけます。移行時のテストや、制作者との調整もお任せいただけます。