「取引先から送ったと言われたメールが届いていなかった。探してみたら、迷惑メールフォルダに入っていた」。事業でメールを使っていると、こうした経験をする方は少なくありません。
迷惑メールフォルダに入ったメールは、気づかないまま時間が経ち、商談の機会や、お客様への返信のタイミングを逃す原因になります。この記事では、受け取る側の事業者が取れる対処と、繰り返さないための予防を整理します。
なお、自社から送ったメールが相手の迷惑メールに入ってしまう場合は、送ったメールが迷惑メール判定される時の対策|SPF・DKIM・DMARC入門で解説しています。
迷惑メールフォルダに入るのはなぜか
メールを受け取るサービスやソフトは、届いたメールを自動で判定し、迷惑メールの疑いがあるものを、別のフォルダに振り分けています。大事なメールが入ってしまう主な理由は、次のようなものです。
- 送信元の認証が不十分:送信元のドメインに、なりすまし対策(SPF・DKIM・DMARC)が設定されていないと、疑わしいと判断されやすい。基礎はなりすまし・フィッシング対策|DMARC設定の基本で解説しています
- 初めての差出人からのメール:まだ取引のない相手からの最初のメールは、慎重に判定される
- 内容に特徴がある:リンクが多い、画像が中心、件名が営業メールに似ているなど
- 過去の学習の影響:過去にそのアドレスやドメインのメールを「迷惑メール」にした経験が残っている
- 受信側の迷惑メール設定が強い:メールソフトやサーバー側の迷惑メール対策が、厳しめに設定されている
原因が、送る側にある場合も、受け取る側にある場合もあります。まずは、受け取る側でできることから確認しましょう。
受け取る側でできる対処
1. 「迷惑メールではない」と指定する
迷惑メールフォルダの中でメールを開き、「迷惑メールではない」「迷惑メールを解除」などの操作を行います。画面の表現は、メールソフトやサービスによって異なります。この操作をすると、同じ差出人のメールが、受信トレイに届きやすくなることが多いです。
2. 差出人を連絡先に登録する
取引先やお客様のアドレスを、アドレス帳(連絡先)に登録しておくと、迷惑メールとして扱われにくくなるメールソフトやサービスがあります。
3. 許可リスト(セーフリスト)に登録する
メールソフトやWebメールには、「この差出人からのメールは常に受信する」という許可リストの設定があります。メールソフト・サーバーの迷惑メール設定で、「許可する差出人」「受信を許可するドメイン」などの項目を探してみてください。
取引先の社内で、複数のアドレスが使われている場合は、個別のアドレスではなく、ドメイン(@ より後ろの部分)で許可する方法もあります。ただし、範囲を広げすぎると、迷惑メールも通しやすくなるため、取引関係が明確な相手に限るのが無難です。
4. 迷惑メールのフィルタ強度を確認する
サーバーやメールソフトに、迷惑メールフィルタの強度を選べる機能がある場合は、現在の設定を確認します。厳しい設定になっていると、正当なメールも巻き込まれやすくなります。変更する際は、設定の意味を確認しながら、段階的に調整してください。
5. 振り分けルールを見直す
メールソフト側の振り分け(フィルタ)で、特定の言葉を含むメールを、自動的に別のフォルダに移していないかも確認します。ルールが広すぎると、大事なメールまで巻き込まれることがあります。振り分けの基本は、メールの自動振り分け(フィルタ)設定の基本をご覧ください。
送信元(取引先)にお願いできること
受け取る側で対処しても、繰り返し迷惑メールに入る場合は、送信元に確認を依頼する方法もあります。
- 送信元のメールが、SPF・DKIM・DMARCなどの認証に対応しているかを確認してもらう
- 件名や本文に、迷惑メールと誤認されやすい表現がないかを見直してもらう
- 別のアドレスや、別の送信手段(フォームなど)を試してもらう
特にGmailなどでは、送信元の認証状況が、受信可否に影響しやすくなっています。背景はGmailの送信者ガイドライン対応|企業メールが届かなくなる前にで解説しています。
繰り返さないための予防
- 迷惑メールフォルダを定期的に見る:週に1回など、頻度を決めて確認する習慣をつける。特に、商談中・問い合わせ待ちの時期は、こまめに
- 大事な取引先は連絡先・許可リストに登録しておく
- 初めての相手には、返信が届かない場合の別連絡手段を確認しておく
- お問い合わせフォームの通知先を確認する:フォームからの通知が迷惑メールに入る場合は、お問い合わせフォームが届かない時の確認ポイントも確認してください
そもそもメールが届かない(迷惑メールフォルダにもない)場合は、メールが届かない・来ない原因と確認方法|送受信トラブルのチェックリストで、原因を切り分けられます。
よくある質問
Q. 迷惑メールフォルダのメールは、いつまで残りますか?
一定期間(30日程度など)で自動的に削除される設定が、多くのサービスで使われています。ただし、期間はサービスによって異なるため、見つけたら早めに確認・移動してください。
Q. 迷惑メールではないと指定したのに、また迷惑メールに入ります。
送信元の認証状況や、メールの内容の変化などで、再び判定されることがあります。連絡先への登録や許可リストの設定を併用し、それでも直らない場合は、送信元に確認を依頼してください。
Q. 自社のサーバーのメールで、迷惑メールが多すぎて困っています。
サーバーの迷惑メール設定で、対策を強化できる場合があります。ただし、強くしすぎると、大事なメールの取りこぼしが増える可能性もあるため、調整しながら様子を見ることをおすすめします。
Q. 大事なメールを見逃したかもしれません。確認する方法はありますか?
迷惑メールフォルダのほか、ごみ箱やアーカイブ、サーバーに保存されたメールも検索してみてください。取引先に、送信日時を確認する方法もあります。
まとめ
- 迷惑メールフォルダには、送信元の認証不足や、受信側の設定などの理由で、大事なメールが入ることがある
- 受け取る側では、「迷惑メールではない」の指定・連絡先登録・許可リストで、対処できる
- 繰り返す場合は、送信元に認証設定や内容の確認を依頼する
- 週1回など、迷惑メールフォルダを見る習慣が、最も確実な予防になる
メールの設定やトラブルの原因が分からない時は、一人で悩まずに、専門家に相談することも選択肢です。ドメイン・サーバー・メールまわりの継続的な管理は、Webザイルでお手伝いしています。