ホームページの保守は、「全部自社でやるか、全部任せるか」の二択ではありません。保守には複数の作業があり、作業ごとに向き不向きが異なります。

保守契約の中身については「保守契約」とは?ホームページの保守で何をしてもらえるのか、日々の小さな更新の判断についてはホームページの更新や小さな修正、自分でできる?誰に頼む?で解説しています。この記事では、その間をつなぐ観点として、保守作業を項目ごとに仕分けして、自社でやるか任せるかを判断する方法をまとめます。

保守でやることを一覧にする

最初に、「保守」と呼ばれる作業を分解します。サイトの種類によって異なりますが、一般的には次のようなものがあります。

作業内容頻度の目安
更新(CMS・プラグイン)WordPressなどの本体・機能拡張を最新にする月1回程度
バックアップサイトのデータを保存し、戻せる状態にする週〜月
契約更新の管理ドメイン・サーバー・SSLの期限と支払いの管理年次、期限前
稼働の確認サイトが表示されているか、フォームが動くか月1回以上
不具合・障害の対応表示崩れやエラーが出た時の対応発生時
内容の更新営業時間・料金・お知らせの変更随時
権限・アカウントの管理管理画面に入れる人の整理3か月〜年次

この表を、自社の状況に合わせて埋めていくと、「何を誰がやっているのか」が見えてきます。

判断の3つの軸

作業ごとに、次の3つの軸で、自社でやるか任せるかを考えます。

軸1:かけられる時間と、続けられるか

保守は、1回やれば終わりではなく、続ける作業です。始めた当初は丁寧に行えても、忙しくなると後回しになりがちです。

  • 担当者が、毎月決まった時間を確保できるか
  • 担当者が休んだり退職した時に、代わりに行える人がいるか

続けられるか不安な作業は、任せることを検討します。

軸2:失敗した時の影響の大きさ

作業を間違えた時、あるいは行わなかった時に、どれだけ影響が出るかを考えます。

  • 影響が小さい:文章の差し替え、お知らせの追加など。間違えても、すぐに直せることが多い
  • 影響が大きい:システムの更新、サーバーの設定変更、ドメインの設定変更など。間違えるとサイトやメールが止まる可能性がある

影響が大きい作業ほど、経験のある専門家に任せたほうが安全です。ただし、バックアップが確実に取れていれば、リスクは下がります。

軸3:属人化していないか

特定の1人しかできない作業は、その人がいなくなった時に止まります。自社で行う場合でも、次の点を確認しておきます。

  • 手順が文書に残っているか
  • ログイン情報が、担当者以外も把握できる形で保管されているか
  • 契約者が、退職した人や、連絡の取れない人になっていないか

契約情報の共有については、ホームページやメールの契約・管理情報、担当者以外も把握できていますか?が参考になります。

作業ごとの仕分けの目安

3つの軸を使うと、次のような仕分けが一つの目安になります。ここでは一般的な傾向を示しており、会社の状況によって変わります。

作業自社で対応しやすい任せるのが安心
内容の更新(文章・画像)管理画面に慣れていれば自社で可能頻度が高く、時間が取れない場合
バックアップの確認月1回、状態を確かめるだけなら可能取得の設定や復元は専門家のほうが確実
CMS・プラグインの更新手順を覚え、バックアップを取れば可能不具合時の復旧まで見てほしい場合
契約更新の管理一覧表とカレンダーで管理できる契約先が多く、把握しきれない場合
稼働の確認月1回の目視確認なら可能常時の監視が必要な場合
不具合・障害の対応軽い表示崩れ程度原因の特定や復旧が必要な場合

「更新は自社、バックアップと障害対応は専門家」といった組み合わせ(ハイブリッド型)は、現実的な選択肢のひとつです。

自社で行う場合の最低ラインを決める

自社で保守を行うなら、最低でも次の内容は、決まった日に行うようにします。

  • 月に1回、サイトを開き、主要なページと問い合わせフォームが動くかを確認する
  • 月に1回、更新の通知を確認し、更新の前にバックアップを取る
  • 年に1回、ドメイン・サーバー・SSLの契約と期限を確認する

具体的な内容は、WordPressを安全に保つ基本|更新・バックアップ・権限の3つを定期的に見直すや、ホームページのバックアップ、取れていますか?確認すべき3つの質問と見直しの手順で解説しています。契約更新の管理は、ドメイン・サーバーの更新を忘れないための管理術が参考になります。

また、サイトが止まった時に気づけるよう、サイトの死活監視(ダウン検知)を無料で設定する方法を取り入れる方法もあります。

任せる場合に確認しておきたいこと

外部に任せる場合は、「何を、どこまで、いくらで」を、契約の前に確認しておきます。

  • 対応範囲:更新、バックアップ、障害対応のうち、何が含まれているか
  • 含まれない作業:デザインの変更や機能の追加などが、別料金になるか
  • 緊急時の対応:サイトが止まった時の連絡方法と、対応の時間帯
  • 報告の有無:作業内容や、サイトの状態の報告があるか
  • ログイン情報と契約の名義:ドメイン・サーバーの契約者や、管理画面の情報が、自社の手元にあるか
  • 契約をやめる時の扱い:解約した場合に、データや設定を引き継げるか

特に最後の2点は、後からトラブルになりやすい点です。ドメインやサーバーの契約者が、任せた先の会社の名義になっていると、契約を見直したい時に動けなくなることがあります。

よくある質問

Q. 小さなサイトでも、保守は必要ですか?

A. サイトの規模にかかわらず、ドメインやサーバーの更新、バックアップ、稼働の確認は必要です。ただし、作業の量は規模によって変わります。まずは、自社で最低限できることから決めるとよいでしょう。

Q. 自社で行う予定ですが、担当者が1人しかいません。大丈夫ですか?

A. 担当者が1人の場合は、その人が不在になった時のリスクが大きくなります。作業手順とログイン情報を、担当者以外も把握できるよう記録しておくことをおすすめします。

Q. 保守を任せると、費用はどのくらいかかりますか?

A. 対応範囲によって幅が大きく、月額数千円から数万円程度が目安です。金額だけでなく、何が含まれているかを比べて判断してください。

Q. 以前に作ってもらった制作会社に、保守を頼むべきですか?

A. 制作した会社は、サイトの内容をよく把握しているという利点があります。ただし、保守に対応しているか、費用や範囲が合っているかは、会社によって異なります。比較する場合は、上記の「確認しておきたいこと」を、そのまま質問に使えます。

まとめ

  • 保守は「全部自社」か「全部任せる」かの二択ではなく、作業ごとに考える
  • 作業を一覧にして、時間・失敗時の影響・属人化の3軸で仕分ける
  • 更新は自社、バックアップと障害対応は任せるなど、組み合わせも現実的
  • 自社で行う場合も、月次と年次の最低ラインを決めておく
  • 任せる場合は、対応範囲・緊急時の対応・契約名義と情報の所在を確認する

保守の範囲や、自社で何をやるべきか迷う場合は、Web GearのWebザイルで、ドメイン・サーバー・メールの日々の管理についてご相談いただけます。すでにトラブルが起きている場合は、Webレスキューをご覧ください。